においの科学的な要因とにおいの作用と効果、
簡単にできる消臭方法などをご紹介します。
「におい」と聞いたとき、「匂い」「臭い」どちらの字を思い浮かべますか。
一般的に「匂い」は、「花の匂い」のように良いにおい、好ましいにおいに用いられます。「臭い」は、「ゴミの臭い」のように嫌なにおい、不快なにおいを対象に用いられます。
諸説ありますが、「におい」を感じる物質は40万種類程あると言われており、あらゆるところに「におい」を感じる成分が存在しています。
ヒトはにおいを感じることにより、様々な情報を得て、行動に反映します。たとえば、焼き上がったパンの良い香りに美味しさを感じます。一方で、何かが焦げる際に発生するアルデヒド類、体に害を及ぼす硫化水素などには敏感に反応し、危険であることを察知します。
このように、多種多様なにおい成分が存在すること、また、においを感じることは生きていく上で絶えず必要な感覚であること、ということを考えると、においとヒトは深い縁で結ばれていると言えるのではないでしょうか。それ故、においが原因となる問題が多く起こってしまうのも仕方がないのかもしれません。
においは生活の中に完全に入り込んでおり、生活臭など日常生活では感じないにおいもあります。また、反対に自分に危害を加える恐れのあるにおいには敏感に反応します。においがする物質からみれば、硫化水素、アンモニアが一般的によく知られている物質です。
硫黄化合物 | 硫化水素(腐った卵のにおい) メチルメルカプタン(腐った玉葱のにおい)など |
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窒素化合物 | アンモニア(し尿のにおい)など |
アルデヒド類 | アセトアルデヒド(刺激的な青ぐさいにおい)など |
ケトン類 | アセトン(シンナーのにおい)など |
脂肪酸類 | イソ吉草酸(むれた靴下のにおい)など |
快いにおいは香水で代表され古来から人が求め続けたもので、現在では、専門の調香師があらゆるにおいのブレンドに挑戦し続けています。そして今では快いにおいは香りの世界に入っており正に文化の世界です。 |
人にとっての不快なにおいは腐敗臭に代表されるように危険予知としての本能的感覚であったのですが、長い文明生活でそれも必要なくなり退化傾向にあると言われています。 |
こうした良いにおいや悪いにおいの表現は非常に難しく、その程度を示す方法が種々のところで考案されていますが、現在9段階快・不快度表示法が一般的に使用されています。
においと、においとの作用は複雑で理論的解明は不可能なため結果で判断せざるを得ません。
生活の中で発生する臭気は、多くの臭気物質が組み合わさって発生するもので、単品の臭気ではないのです。
相加作用相加作用とはAというにおいとBというにおいを混ぜ合わせたときにより強いにおいになることです。 相殺作用(図参照)相殺作用はこの逆でAとBを混ぜ合わせたときにおいが無くなったり弱くなる作用です。これを利用した消臭方法が多くのところで用いられています。相殺作用の例としてC.P.McCordとW.N.Witheridgeは (1)ヨードホルムとペルーバルサム の組み合わせをあげています。 |
当社はこの相殺作用を利用した、
自然に優しい消臭剤を取り扱っています。
家庭用は微芳香剤的なものが多く、発散を利用しているものが大半を占めています。また生ゴミや台所の排水ピットなどには発酵を防止するような化学的消臭剤をポンプスプレーを利用し、散布する方法が取られたりしています。
商業用はビルピットや車、特殊車両(ゴミ収集車)などを対象にしたものが考えられています。
工業用はいわゆる苦情対策用に用いられることが多く、現在の技術の粋を集めたものが利用され、消臭方法の手腕が発揮される場所となっています。一般的に、工業用を対象にした脱臭方法は
1.燃焼法 2.吸着法 3.洗浄法 4.生物法 5.消・脱臭剤法
などがあります。